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試用期間の短縮について

第2回 2006年10月

2005年9月中旬に、ある企業の日本人担当者から伺ったお話です。

今年7月、現法設立後初めて採用した従業員(秘書兼総務)との契約締結の際、従業員から試用期間を3ヶ月から1ヶ月に短縮して欲しいとの要求が出されました。担当者は「これで本人のやる気が高まるなら」と要求を受け入れていましたが、この従業員が試用期間満了後の入社2ヵ月目に自己都合による退職を申し入れてきたというのです。

既に対外業務もスタートしており、立上げ時期の重要な業務を1ヵ月後に退職する従業員に任せざるを得ない情況が発生してしまいました。しかも、緊急に採用活動をやり直さなければなりません。

ここで注意したいのは、試用期間短縮の目的です。試用期間短縮による双方の主なメリット、デメリットをまとめると次のようになります。

  メリット デメリット
企業側 ・確実な人材確保
・業務への影響
・モチベーションを刺激
・人材評価材料、機会の不足
・上記によるミスマッチ
・他の人材採用機会の喪失
人材側 ・試用期間待遇の早期終了
・業務への集中
・就業環境の安定
・業務等の評価材料、機会の不足
・上記によるミスマッチ
・他の就業機会の喪失
備考 短縮した試用期間の満了後、本来の試用期間中(短縮以前の試用期間中)であっても労働契約解除には30日以前の事前通知が必要。

因みに前述のケースでは、人材側が更に良い条件、内容の仕事を見つけたことが退職の理由となっています。実際、試用期間中も就職活動を継続しているケースは少なくありません。せっかく採用した人材を確実に確保してゆくという意味では、試用期間の短縮はひとつの方策ですが、企業側も試用期間が満了するまでは、採用活動を継続する等の対策が必要でしょう。

もちろん、個々の採用情況によって試用期間短縮の必要性は異なってきます。試用期間を有効に活用するためには、最初から試用期間を短縮するという約束は避けたいものです。試用期間本来の目的に基づき、入社時にはあくまでも所定の試用期間を設け、実際の勤務情況を見ながら試用期間の短縮を検討してゆくべきでしょう。

上海霓索人力資源服務有限公司 杉川 英哲上海霓索人力資源服務有限公司 杉川 英哲
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