SBFの活動報告

Shanghai Business Forum
Active Report

2009年3月 蘇州-上海ビジネスフォーラム活動報告

開催概要

日時 3月14日(土曜日) 15時00分~17時30分
テーマ 「異文化コミュニケーションの難しさ」~翻訳業界の現状と新たな挑戦~
講師 上海携達商務諮詢有限公司 曾 慶斌
幹事 上海携達商務諮詢有限公司 北口 浩昭
場所 宜家開元酒店
出席 勉強会27名・交流会24名

講義内容・その他

①はじめに

蘇州-上海ビジネスフォーラム勉強会各国言語リストから始まり、翻訳・通訳の分類の説明、産業翻訳の定義、その他、言語表現の違い、文化の違いからくる言葉の言い回し等について説明。

②翻訳業界の現状と新たな挑戦。

  

翻訳業界の特有の困難とその現状について。困難の中に何か見出すことができないか。
現在、翻訳業界は日本での市場は推定2,500億円JPY。日本に拠点があるお客様は、日本国内で翻訳をするとコスト的に高いので、中国本土にある翻訳会社に目を向けている。
ここ数年の急速な中国経済の発展により、日本語~中国語、逆に中国語~日本語への翻訳の需要が急増している。
今後、中国経済の益々の発展と上海博覧会等の開催により、中国語関連の翻訳量は今まで以上に増えると予想される。

③翻訳業界の現状 市場の混乱

比較的容易にできる起業でもあるので、翻訳会社が乱立している現状がある。
見積もり価格の算出も、翻訳会社の価格相場が形成されてない傾向があり、各翻訳会社によりバラツキが見受けられる。
例えば見積もりをするときに、ページ数で計算、文字数で計算、原文で計算、訳文で計算等多数ある。
翻訳レベルも学生のアルバイト翻訳から、技術翻訳を専門に手がける翻訳者までレベルに開きがある。

④翻訳業界の現状 矛盾・・・市場の飽和とクライアントの不満

翻訳会社の数は多いが、高品質を提供、納期を厳守できる翻訳会社は少ない。
一説によると日本で2000社以上、中国で3000社以上と言われる。

⑤翻訳業界の現状 Web可と通信化

インターネットの普及に伴ってwebsiteの翻訳量が急増:webコンテンツのローカライゼーション。
日本のお客様からいただいた翻訳依頼を中国大陸の翻訳者が手がけることにより、コストダウンを実現。
今後の挑戦としては、遠距離翻訳者の募集・管理・育成を目指したい。

⑥過去の起業の失敗体験と携達翻訳の創業のいきさつ

過去二度の起業の失敗体験、その後現在三回目の起業奮闘中について説明。
(ちなみに第一回目は、故郷(広西)で皮製品をイタリヤに輸出する商売をするが、品質がよくないため、イタリヤに輸出することができなくて、広西の倉庫には皮製品が山積みとなる。セミナーでは講師は話さなかったが、倉庫の中の皮製品の在庫を見て、涙が一晩中とまらなかったという。このときの苦境は生涯忘れることができないと後日講師が語った。)
二回目の起業は故郷「広西」を離れ、中国一の大都市、上海に来てホームページ制作の商売を始めるが、これも数ヶ月で失敗。
上海で某日本人と知り合って、翻訳の仕事を個人的に請け負って、それをきっかけに仕事が入ってくるようになった。
過去二回の起業の失敗から、三回目の起業のときは、かなり悩んだが最後の起業ということで苦難は多くあったが何とか現在に至る。

          

※質疑応答(順不同)

Q1:
今45歳以上の一般の中国人は、英語を知らない人が多い。
例えば45歳以上の人は、英語を知らないため、何でも中国語の漢字にする。
漢字にするより、英語でそのまま表記した場合がいいのでは。
例を挙げるとシュワルツェネッガー(Schwarzenegger)、これも中国語の漢字にしてしまう。

講師回答:
一般の中国人は、何でも漢字にしてしまう。その理由は、元々中国語は全部漢字なので、欧米から来た言葉も必然的に漢字にする傾向が著しい。
ただし、今後の流れとしては、中国が国際化の波に飲み込まれる中で、若い人を中心に少しずつではあるが英語で表記するように変っていく可能性もある。

Q2:
日本語3000文字、技術文章を英語に翻訳するといくらぐらいになるか。

講師回答:
大体3000元ぐらいになる。日本語~英語は欧米人が翻訳するのでそんなに安くない。
ここは中国なので英語を中国語、日本語を中国語にするのはコストメリットがある。

Q3:
以前、通訳を雇っていたが、こっちの話しについてその通訳が何にも聞いてこない。質問も何もない。日本円に換算して1500万円ぐらいの取引なのに何も聞かない、本当にこちらが言ったことをキチンと訳してしいるのかが多いに疑問であった。
そういった経験から、通訳者の人間性は否定しないが、その通訳の仕事の品質については信用しないことにしている。
携達翻訳では、通訳を採用するときの基準は何かあるのか。

講師回答:
通訳者や翻訳者を面接するときには、携達翻訳サイドが三人ぐらい面接をする。一人の通訳者、翻訳者に対して、携達翻訳側が複数の面談、面接をすることにより、通訳者、翻訳者として適任者であるかどうかを見極める。
そして、携達翻訳として何よりも重要なのは、特に翻訳者の場合ですが「まじめ」であることが何よりも優先される。