SBFの活動報告

Shanghai Business Forum
Active Report

2014年07月 上海ビジネスフォーラム活動報告

開催概要

テーマ 「そもそも何故、今、反日ドラマに出るのか。」
「中国の或る日本人俳優」中国における日本人の俳優活動の実態など
国家重点研究所の施設見学
日時 7月5日(土) 15:00~17:00
幹事・講師 東 誠(上海坦思計算機系統有限公司)
開催場所 上海坦思計算機系統有限公司
上海市真北路958号天地科技広場1号楼10階B座 会議室
出席 12名

全体概要

上海ビジネスフォーラム勉強会イメージ

いつもの開催日と異なり、第1土曜日の開催となりました。しかし、幹事と実行委員とのミスコミュニケーション問題により案内書配信が遅れてしまい、少数の参加者となってしまいました。非常に話題豊富な内容で勿体なく、会員の皆さんおよび東さんにお詫び申し上げます。
東さんの俳優業に関する講演は、2012年6月に続いて2回目です。前回は中国の映画事情と如何に演ずるかというのが主体でしたが、今回はさらに深化した報告をいただきました。そして、本業(どちらが本業かは不明ですが)のIT関連では会社をご案内いただきました。いずれも興味津津の内容でした。

施設見学

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東さんの会社は、中国の国家重点研究所でもあるコンピューターソフト会社です。そして、会社が入っているビル及び周辺はグループ会社のものであり、近年急激に開発され注目を浴びている地域です。その中心に建った「天地科技広場」は周囲を圧倒する大ビルです。
上海坦思計算機系統有限公司は、日本の大企業から各種システムを受託しておりそれぞれ、プロジェクトチームを作っています。
休日ですので働いている姿は見られませんが(業務中は立ち入り禁止かも)その姿を彷彿させてくれました。
私たち一般人では、絶対に見ることが出来ない貴重な体験でした。

主な講演内容

普段のソフト会社副総経理の顔とは全く異なる「“俳優”東さん」を魅せていただきました

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☆芸能の歴史と俳優

芸能は、天岩戸の前での舞踊が始めであり、猿楽、歌舞伎など人間の歴史と一緒に連綿と続いています。俳優はそれを演ずる人でしょう。歴史を経るうちに、演ずる者、演出する者と分業化しましたが、昔は同一人であり、更に昔は神と一体と考えられたようです。

☆何故俳優に?

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IT会社の経営者と俳優(演技者)といういわば「二足のワラジ」を履かれているのはどうしてでしょうか?そもそも、俳優を志した動機は何故でしょうか?
16歳(高校生)で、NHK全国高校放送コンテストに自分の主演脚本のラジオドラマを出品したのが芸能生活の始まりだそうです。
17歳の時には、現在NHKのアニメなどで活躍中の脚本家川崎ヒロユキと、劇団座長役者でゲームクリエーターの時田貴司の両名が、高校同級生だった縁もありNHK全国高校放送コンテストに脚本監督・川崎、主演・時田、カメラVE・東でTVドラマを出品しました。
大学に進み、放送系サークルで主演ラジオドラマを学園祭で発表、大学中退後、19歳で早稲田の演劇サークルメンバーなどと、劇団アンダンテを旗揚げ。そして日本映画学校(現・日本映画大学)入学と、10代後半から、芸能・TV映画業界入りは既定路線の様でした。

特に映画学校では、3年かけて映像業界全職種全職能を教育され、演劇理論・演技表現・メイキュアップ等もそのカリキュラムの一つで、俳優科の卒業生より、東さんが卒業した映像科の卒業生の方が、大成した役者やコメディアンが多いという特徴があるそうです。

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☆IT業界へ何故入ったのか

元々は、23歳の時、職安で偶然見つけた職がIT関係で、別段何の思い入れも無いまま今日まで四半世紀以上続けていますが、発生して半世紀未満の、変化の激しい確立していない産業だそうです。
東さんご自身がインターネットの普及に多少なりと関与した仕事ですが、10年後には全く違う業態になることも予想されます。その時にまだIT業界というものがあるのか、あっても自分が関与できるのかどうかは分らないというのが正直なお気持のようです。その点、俳優業は一生かけるべき職業とは思いますが・・・・。悩みは尽きません。

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☆中国で俳優になったキッカケと現在

李安(アン・リー)監督の米アカデミー賞受賞後第一作の『色・戒』(邦題: ラスト、コーション)にエキストラ応募したところ、製作プロデューサーの一人が、香港人の映画学校の先輩チャーリー・ハウで、良い役を頂き、その時に松江撮影所で知り合った仕出し外人専門の業者から、
映画「東風雨」のお話を頂き、タイトルバックでセリフと役名の有る役を頂きました。

その後は連続ドラマ「先鋒1931」で少々大きな役を頂き、現在は、来年春節放送予定の新春大河ドラマ「東方戦場」で萩原流行さんと共演させて頂いております。

「先锋1931」
○百度百科
http://baike.baidu.com/view/4664715.htm
○視聴
各動画配信サイトで配信中(無料)
○上映:放映済
○放映:北京中视精彩影视文化有限公司
○形式:ドラマ(全30話)

「东方战场(東方戦場)」
○オフィシャルサイト
http://www.hbtv.com.cn/zt/dfzc/
○百度百科
http://baike.baidu.com/view/8743395.htm
○上映予定:2015年(詳細時期まだ未定)来春放映予定ドラマ
○放映:湖北广播电视台(湖北広播電視台)
○形式:ドラマ

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☆中国で俳優を続ける意義と遣り甲斐

中国だからというわけではなく、何処でも機会を頂ければ出演します。
中国の撮影現場は、日本の現場に負けないほど真剣に向き合い、技術を競い合っています。そもそも、現代中国の映像制作の出発点は満州映画社(甘粕元大尉の創った国策映画会社)の残留日本人技術者による偽名製作と後進教育ですので、日本の映像業界(特に東宝は満映引揚組が多かったので有名です)とは、兄弟関係にあり、使用している用語、用紙、段取りも同じです。そこに香港特撮映画人材が加わった今の中国映画の現場は、それなりに高レベルの製作体制を持ち、良作を作り続けています。
この現場に参加できる事に遣り甲斐を感じているそうです。

☆抗日映画に出演することへの抵抗は

場所はどこであれ、表現者としての舞台を与えられる光栄を断るなら、そもそも役者など志していません。そもそも、抗日映画というカテゴライズは中国共産党の宣伝機関、中央メディア総局の支配下にあり、共産党政権の指導綱領に基づき制作されるプロパガンダ作品以外、検閲で放送はおろか、撮影すら許可されません。中国の映像現場では、映像作品に出る=党利党則に沿ったプロパガンダ作品に出る以外に俳優を行う方法はありません。
つまり、抵抗云々以前に、総合芸術の演技者として「何か」を為すという意義の前に、他は無意味だそうです。
それでも、事前に貰った脚本(当然検閲済です)を読み、余りにレベルの低いものや、演技の幅の狭いものは断るそうです。
東さんは日本人役が専門ですが、演出意図と演技の鬩ぎ合いで、脚本の意味するところをご自分なりに「生きた日本人」として表現するのが仕事だそうです。

☆これからの進路はITか俳優かどちらでしょうか?

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ITは、前記のごとく歴史も浅く10年後が分らない職業です。
一方、俳優、否、芸能は、神代の時代から連綿と続く文化であり、映像作品は写真撮影、照明、音響音楽、絵画・建築美術、文学、演技の総合芸術で、ネット配信時代になって、技術的には更に進化を続けていますが「演じる」という俳優の使命は不変です。
どちらを取るかは別次元の存在だそうです。
俳優・芸能は東さんの10代からの天職だそうです。しかし、生活を考えるとどうなんでしょうね?

初参加者紹介

  • 林亮初さん(上海坦思計算機系統有限公司)
  • Emilyさん

実行委員からの報告・・・叶 家胤さん

  • 8月例会:葉先生(春澤中医) 漢方による医食同源
  • 9月例会:普陀山旅行
  • 10月例会:蘇州のモデル工場見学会
  • 11月例会:幹事を募集中
  • 12月年末会:佐藤忠幸氏の講演

食事会

上海ビジネスフォーラム食事会イメージ

時間:18時~21時00分
出席:10名
会費:300元/人
会場:「布良瀬」仙霞路×安龍路 交差点近くの日本料理店

魚釣りが趣味の伊藤オーナーのお店。
鮮魚が美味しいことで有名なお店ですが、当日は同店の愛好者の集い、「布良瀬会」の開催日とも重なり満員でした。通常には無いコース料理を提供して頂き、美味しくて楽しいひと時を過ごさせていただきました。食べた後になると300元は安かった!という感想です。