SBFの活動報告

Shanghai Business Forum
Active Report

2012年12月 上海ビジネスフォーラム活動報告

開催概要

テーマ 【 勉強会】「国際税務戦略の概要 と事例」
【年度活動報告】
日時 12月8日(土)  13時30分(開場13時)
第一部 勉強会:13時35分~15時20分
第一部 年末総会:15時50分~17時30分
第二部 忘年会:18時00分(開場17時30分)~中締め20時00分、終了20時30分
講師 【 勉強会】高木 慎一 様 (ノベル国際コンサルティング パートナー・税理士、東京SBF会員)
【年度活動報告】叶 家胤 様 (上海誠鋭実業有限公司)
幹事 SBF実行委員が下記を分担
【総合司会】秋山 賀世子(杰王投資咨詢(上海)有限公司)
【年度報告】叶 家胤(上海誠鋭実業有限公司)
【広報・記録】佐藤 忠幸(佐藤中国経営研究所)
【写真撮影・会計】内山 博文(上海湘南実業有限公司)、鈴木 智一(WEB-One! Shanghai)
出席 67名

全体のまとめ

上海ビジネスフォーラム勉強会イメージ

2012年は久々に豪華ホテルで開催しました。
勉強会講師は、国際税務で著名な高木様をお迎えしました。高木様は、世界四大監査法人の一つプライスウォーターハウスクーパース(PwC)で活躍の後、独立された国際税務戦略コンサルティングです。東京SBF会員でもあることからわざわざ駆けつけてくださいました。
会場は、86年前に作られた文化財の本館を誇る日系老舗ホテルです。勉強会・総会・忘年会の全てを同じホテルで部屋のみ変えて開催しました。久々の洋食で高級ホテルらしい、期待どおりの御馳走を豊富に出していただきました。

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勉強会の概要

1、国際税務戦略の概要

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◎最近の国際課税制度の改正
2000年代後半になって年々税制の変化があり、国際税務戦略の重要性が高まっている

◎法人税実効税率の国際比較
日本の法人税実効税率は主要国と比較しても高い水準であり、 2011年の減税でもまだ35.64%と先進国の最高水準。

◎世界の法人税率の推移
世界の税率は、2,000年以降一貫して下がっている。2011年の世界平均は約23%。

◎国際税務戦略の概要
実効税率を引き下げるためには、租税条約の恩典、地域統括会社及び移転価格の管理等を活用した国際税務戦略が有効。
※実効税率: 発生主義ベースの税率 = (PL法人税等+法人税等調整額) ÷ 税引前利益
税引前利益が負担することになる税金の比率。会計上の利益と税務上の課税所得の発生タイミングの差を税効果会計により調整した後の税金費用を使用した比率。

◎海外企業との実効税率比較
日本のA社の実効税率をGoogleと比較した場合、A社は平均的な日本企業と同等の水準の43.7%であるが、Googleはかなり低い水準の21.0%。

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◎実効税率の差異分析
日本の法定実効税率(40.6%)は諸外国より高く、日本企業がグローバルで事業展開をする上でのハンデになっている。
米国の法定税率も相対的に高いものの、Googleはグローバル事業展開において内外税率差を生かすことにより、本国の法定税率よりも低い実効税率(21.0%)を維持している。

ポイント1 : 本国での税務上の恩典

  • 「本国での税務上の恩典」は、税額控除等、本国税制に定められる恩典の適用に起因。恩典を活用することにより、実効税率を低減

ポイント2 : 海外子会社の税率差異

  • 「海外子会社の税率差異」は、本国の税率と外国子会社の所在する国の税率との差異に起因。本国よりも低税率な国における事業を拡大することで実効税率を低減。
  • 例えばGoogleはアイルランド子会社で研究開発を行い、知的財産(IP)を帰属させることで、米国外の事業の実効税率を低減。
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◎国際税務戦略の効果
投資に見合う売上増加が期待しがたい昨今の事業環境下では、大幅な売上増加に匹敵する財務的効果を有する国際税務戦略の重要性が高まっている。

  • 具体的には、A社における実効税率の10%軽減は、売上3億45百万円増加と同じ効果がある。

2、事例研究

◎中国税制概略
法人税

  • 居住企業:全世界所得に対して25%
  • 非居住企業:中国国内源泉所得に対して20%
  • 1月1日から12月31日までの暦年課税
  • 前納し、年度終了後5か月以内に年度申告書で清算
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源泉税

  • 国外に対する支払いについて原則20%の源泉税

注意点

  • 欠損金の引継ぎ制限あり
  • 非居住法人による株式譲渡(原則10%の源泉課税)
  • 事業譲渡は会社設立が伴うので面倒
  • 中国株譲渡は中国源泉所得とされるので撤退時注意が必要

日本・中国租税条約・・・省略

  

◎香港税制概略
法人税

  • 香港源泉所得に対して16.5%
  • 配当・キャピタルゲイン、認可銀行の預金利子は非課税
  • 損失は無期限繰越
  • 納税者が通知した課税所得に対する賦課納税方式

源泉税

  • 配当・利子に源泉税なく、ロイヤリティに対して4.95%

注意点

  • 欠損金利用のみが目的のような場合欠損金の引継ぎ制限あり
  • 売上税・消費税の類の税金もない
  • 印紙税(Stamp Tax)に注意 (不動産譲渡に対して4.25%までの累進課税)

日本・香港租税条約・・・省略

◎シンガポール税制概略
法人税

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  • 国内源泉所得および国内取り込み国外所得に対して17%
  • 部分免税制度あり(10,000ドルまで75%、次の290,000ドルまで50%)
  • キャピタルゲイン課税なし、国内受取配当非課税(One Tier System)
  • 損失は無期限繰越(株主変動時注意)、繰り戻し制度もあり
  • 納税者が通知した課税所得に対する賦課納税方式

源泉税

  • 配当源泉なし、金利・専門家報酬15%、マネジメントフィー17%、ロイヤリティ10%

注意点

  • 各種優遇措置の確認
  • 米国との租税条約がない

日本・シンガポール租税条約・・・省略

◎シンガポール地域統括会社

  • アジア地域統括会社としてのシンガポール活用
  • シンガポールでの統括会社優遇税制の活用(要政府認定)
  • 株式譲渡益を配当に変換

事例1 中国子会社の利益を有利に回収する
事例2 海外子会社を有利に売却する
事例3 香港経由で中国に進出する
事例4 地域統括会社で資金を有効活用する
事例5 移転価格ポリシーにより海外子会社の利益を管理する
事例6 海外からネット配信サービスを提供する
(各事例の内容は省略)

まとめ

国際税務とは、非常に硬いお話です。しかも年末会とあって税務とは全く無縁な方も参加され、講師としては大変なご苦労であったことと推察いたします。高木様としては、精一杯のジョークを交え一生懸命な講演姿勢に眠る人は殆どいませんでした。
高木様は、この分野では超有名なお方で、講師料も相当額を用意しないと聞けない講演ですが、SBFだからということで、足代も自腹で特別に駆けつけてくださいました。
改めて御礼申し上げます。
ご質問等ございましたら、下記までお尋ねください。
ノベル国際コンサルティングLLP パートナー・税理士  高木 慎一様
shinichi.takagi@novelintl.com

年末総会の概要

叶家胤委員が、軽妙な口調で、2011年の年末会から2012年11月例会までのSBF活動状況を紹介しました。各幹事の写真とご本人の紹介があり、幹事のご挨拶もいただきました。
ここで使われた写真は、例年の内山委員に加えて杉川会員、鈴木委員の写真も加わり一層充実したものとなりました。傑作ぞろいの中から叶家胤氏独特の選択基準で選ばれた写真は、参加者および幹事さんの普段見られない一面を見せていただき、参加者の爆笑をたびたび呼びました。

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蘇州SBF活動状況の報告は、実行委員の武内 隆さん{光栄電子工業(蘇州)有限公司 総経理}です。
6年目の活動に入り、奇数月の土曜日に開催される例会では幅広い学習会と工夫を凝らした会食というパターンも定着し、毎回30名前後の参加者を集め、活発に活動されている内容をご紹介いただきました。

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東京SBF活動状況の報告は、実行委員の中山勝巳さん(アネクシーズ 社長)で、我々のホームページを作成してくださっている方です。
東京も、6年目の活動です。遠距離通勤という東京の事情のため、平日に勉強会と食事会をしています。それだけに会場や講師の選定にご苦労をしています。最近は有楽町会館の利用が増えたそうです。

忘年会

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時 間 18時00分(開場17時30分)~中締め20時00分、終了20時30分
出 席 71名 (内、子供2名)
会 費 460元 子供(5~12歳)250元  幼児 無料
会 場  2階 ジャスミンルーム

今年の年末会会場は、東京でも超有名なオオクラガーデンホテルが、23年前に旧フランスクラブを改装して出来た花園ホテルです。料理の格が違います。高級ホテルらしい西洋料理の数々を味わうことができました。
アルコール類は、メニューではビールだけでしたが、特別に焼酎の持ち込みを認めていただき、鈴木会員と佐藤委員から焼酎をご寄付いただきました。おまけに、バーコーナーでは爽やかな焼酎カクテルまで作っていただき、美味しく味わうことができました。本当に有難う御座います。

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秋山委員の軽妙な司会と開会挨拶、そして高木様の乾杯で始まりました。また花園ホテルから、お世話いただいた平田亜紀さんよりご挨拶とお料理のご紹介をいただきました。
例年のごとく、老若男女ならびに日中の活発なる交流が続きました。今回も、蘇州から7人、東京からも3人の参加を得て幅広い交流ができました。
周囲のテーブルでは、様々なグループで随意・自由パーティーが開かれました。

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あっという間に2時間が過ぎ、2013年も慶い年であるようにとの願いをこめて、佐藤委員の手締めでお開きとなりました。

最後に、司会や受付を担当して下さった女性陣に感謝です。お疲れ様でした。

2013年もよろしくお願いします。

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